今回はイノシシ対策を行う現場の豆知識を共有していきます。
驚きの対策ネタが見つかるかもしれませんよ。
イノシシは年に2回出産するのか
イノシシがブタ化しており、年1回の出産から、年2回に増えているので、頭数が増え、被害が減らないという意見があります。
真相を探っていきましょう。
イノシシは基本的に1年に1回しか子供を育てず、春に出産します。
しかし、秋に出産する個体も発見されています。
なぜでしょうか。
それは、春に出産できなかった個体や出産後に子供を失ってしまった個体が秋に出産していたのです。
豚のように毎年2回以上出産するというものではなかったのですね。
イノシシの妊娠期間は4ヶ月で、出産後4ヶ月は子供への授乳期間に当てられます。
その間は発情しないので、1年のうち8ヶ月は一回の出産で使ってしまうことになり、実質年に2回出産することは稀なのです。
また、イノシシは一回の出産で4頭程度産みます。
時々、10頭のウリボウを連れた母イノシシがいますが、10頭産んだのではなく、他の母イノシシの子供を連れ歩いているケースが一般的です。
檻を学習するイノシシ
罠を設置した時には、設置前と同じぐらい、設置後の管理が重要です。
イノシシは罠を学習することができます。
雌イノシシは大抵群れで動いているので、一頭が捕まると、周りの仲間は檻を近づいてはいけないものだと学習します。
そのため、雌イノシシは、1つの箱罠に対して、群れの1匹しかかからないと言われます。
雄イノシシの場合は単独なので、他に仲間へ学習機会を与えることは少ないのですが、それでも捕獲後の放置期間が長いと近くを通った他のイノシシが檻は危ないものだと学習し、皆が罠を避けるようになります。
これが、かかりやすかった罠がかかりにくくなる要因です。
行きつけの田畑をもつイノシシへの対策
人に慣れ、田畑に侵入して農作物を荒らすイノシシほど、罠にはかかりづらく手強いです。
なぜかというと、罠の撒き餌よりも、田畑の方が、安全で、新鮮で、美味しい食事ができるとわかっているからです。
罠を利用するリスクを取らないでいいのです。
この場合、どうすればよいかというと、かなりの大仕事を行うことになります。
人里近隣にあるイノシシの住処になりそうな場所を全て撤去し、農作物処理の徹底、柵の設置を行うことになるでしょう。
その上でイノシシの空腹を見計らい、罠を設置するとしっかりかかるようになります。
防護策設置の注意点
費用はかかりますが防護柵は効果的な対策です。
設置ポイントについて共有していきます。
イノシシは餌をとるときに120cm程度の障害物はジャンプして乗り越えることは可能ですが、基本的には、柵の下を潜り抜けようとします。
これは動物にとって、跳躍は足の負担であり、もし足に怪我を負ってしまうと死に直結するからです。
そのため柵の設置は地面に限りなく近づけて行うことが望ましいです。
これはイノシシが地面と柵の隙間に鼻を入れて隙間を上に押し広げようとするためです。
その際に柵が音を立てて動くようであれば、イノシシはもう少しだと考えて、全力で突破しにかかるでしょう。
上に力を加えるため、柵の支柱が上から刺さっていると、スポンと抜けてしまいます。
斜めに杭を差して、支柱を補助するものを加えるようにしましょう。鉄パイプを下部に横方向に這わせておくとさらに強化されます。
私の身近でも、ワイヤーメッシュを採用されることが多いです。ワイヤーメッシュを利用する際には、格子の大きさと金棒の直径には気をつけておきましょう。
15cmの格子の場合、ウリボウが侵入可能で、ウリボウが侵入したので母親もなんとか侵入しようと強引に突破されることが多いです。
10cm以下の格子をおすすめします。
また、金棒の直径は取り扱いが面倒ですが6mmを選びましょう。3mmですと強度に心配があります。
柵設置の際は、外側に横棒メッシュの溶接面の逆の面を配置しましょう。猪はメッシュを噛んで自分の方に引っ張るため、引っ張られて横棒が取れてします現象がおきるからです。
連結部にも注意が必要です。隙間があるので狙われやすい箇所です。連結部は1格子分重ねて設置することが大切です。
侵入された箇所は再度侵入しようと一週間程度粘られますので、強固に補修するようにしましょう。
トタンを配置して目隠しを行うことをお勧めします。
まとめ
猪被害に遭われている方は、ぜひ上記の対策を実践してみてください。
また、被害に悩まれている方や近隣で困っている方がいらっしゃいましたら是非教えてあげてくださいね。