ビジネスモデル事例集

「1時間の電話でお金がもらえる」ビザスクのビジネスモデルに迫る

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株式会社ビザスク(以下、ビザスク)は、リアルな情報が必要な企業と、業界での経験は豊富だがコンサルタントではない人をマッチングするスポットコンサルのサービスを提供しています。

2012年3月に設立され、2020年3月10日に東京証券取引所マザーズ市場への新規上場しており、2020年2月末時点で累計5万件のマッチング実績まで到達しています。

対面あるいは電話で、業界のプロや実際に働いている人から、情報を得ることができるのは、情報を得られる側としては、多少のリスクもありますが、かなり有効な手段です。

私も過去コンサル業務に従事していましたが、調査案件やデューデリジェンス業務にこのサービスを使っていたら、もっとクリティカルなところを押さえることができたのにと悔やまれます。

今後私が新規投資で調査が必要な時は、ある程度のリスクは分散しながら、ほぼ確実に、こちらのサービスを使用すると思います。もちろんこの会社が大きなトラブルに巻き込まれていなければの話です。

2019年2月期時点の全体売上比率の約2割をボストン・コンサルティング・グループが占め、他は、ベイン・アンド・カンパニーや野村総合研究所などのコンサルティングファームが主要顧客になっています。

また、このサービスのキーポイントであるアドバイザーも着実に増加しており、顧客からのピンポイントなニーズにもより応えやすくなっています。

登録アドバイザーの実態

2020年2月末時点で登録アドバイザー数がなんと10万人を超えています。

その中の7割は、在職のサラリーマンといわれており、該当業種は幅広く、500分野まで知見を提供できる体制を整えています。

アドバイザーとしての登録者の伸びは昨今の副業支援が追い風となっているようです。

私のところにもSNS経由でメッセージが来ましたが、産業スパイとの違いが判らず、メッセージははスルーしてしまいました。

サービス利用者にとっては、破壊的な威力をもつ武器になりますが、使用される企業側にとっては、かなり怖いサービスです。

社員がどこまでの内容を誰に対してしゃべっているかがわからないからです。企業側が、ビザスクを通して公開された情報を入手できる権利があればいいのですが、いまのところそのような機能もなさそうです。

ビザスクのきっかけ

ビザスクの誕生のきっかけは、社長である端羽氏の起業経験にありました。

端羽氏が起業しようと思った時、最初は食品サービスの検討を進めていたのですが、前職とのリンクもない分野なので、紙情報やwebの情報では、どうも実感がわかなかったそうです。

そこで、知り合いの知り合いのさらに知り合いまで、辿り着いた時に、起業するべきかの指針となる貴重なアドバイスを得ることができたそうです。彼女の執念には驚かされます。

そこから、誰もが簡単に一次情報にアクセスできるような情報提供プラットフォームの構想を思いつき、ビザスクに辿り着いたのです。

ビザスクの問題解決

現在世の中の流れが高速化していく中で、情報鮮度の価値がさらに高まっており、全ての企業にとって、最前線の一次情報にアクセスできることはかなりの貴重性を持ちます。

その中でも中小企業は、費用面で、プロフェッショナルのコンサルタントに頼む負担を軽減でき、手頃な値段で現在起きている状況を把握できることは、彼らの事業活動を活性化させます。

ビザスクのサービス

ビザスクが提供する主要サービスは2つで「ビザスクinterview」と「ビザスクlite」です。

「ビザスクinterview」は、ビザスク運営者が仲介に入り、アドバイザーと顧客をマッチングするサービスで、法的リスクの最小限化や表示経歴にとどまらないより適切なアドバイザーへのアプローチが可能になります。

「ビザスクlite」は、ビザスクのwebプラットフォーム上の登録者名簿の中から、表示内容に従い自らの知りたい内容を知ってそうな登録者にアプローチできる簡易版サービスです。

事業をする上で時間を節約したい人は、業界人に業界内のサービスのすみ分けについて聞けるでしょうし、今後会社がどの戦略をとりそうかを占う上で、会社内の経営陣の意向や社風、組織の構造などについての現場感を確認できることは大変役に立ちます。

ビジネスモデル

マネタイズ方法はシンプルで「ビザスクinterview」は1時間50,000円から、「ビザスクlite」は1時間5,000円からとなっています。

この固定化された料金設定で収益を上げるためには、より多くの利用者を増やすか新しいサービスを追加するかの2択あり、現在は新しいサービスをついかしつつ、認知度を高めアドバイサーの登録者数を高めています。

また、マッチングシステムの改良、検索システムの更新なども強化しており、エンジニア部隊も増強しているようです。

産業スパイとの違いとビザスクの本質

皆さんもお分かりなように、このビザスクの事業領域はかなりグレーな部分も含みます。

産業スパイの構造は簡単で、情報を得たい企業に人を送り込んだり、人を奪取することで、企業の機密情報を奪います。

今回のビザスクが提唱する知見提供取引の面白いところは、企業で働くことによって得た「自分の知見」を、登録者は、他社に「問題のない範囲で」共有できるというものです。

まず、「自己の知見」としたところで個人の自由や個人情報保護法などをうまく使えます。

さらに、本来は当事者の企業でないとわからない「問題ない範囲」を登録者であるアドバイザーが責任を持つように、契約内容の中に、「勤め先の内部規則やその他の契約違反に対するトレーニング」などを盛り込み、登録者を責任の主体にうまく据えることができているように思えます。

もちろん、ビザスク側は、登録者であるアドバイザーの勤務先との競合関係の調査やコンサルティング会社の依頼元との競合性についても確認するなどの努力はしています。

ただ、彼らの収益の根源アドバイザーの登録者数であるので、アドバイザーに対してはあまりきつい制約をつけたくありません。

そのため、アドバイザーに対する規制を緩くする代わりに、そこから生じるリスクを被らないよう、「第三者の権利を侵害しないこと」と「違法性を有しないこと」を、ビザスクは保証していないと規約でも宣言しています。

ビザスクの本質は、全ての登録者を個人であり、かつ責任あるコンサルタントでもある、としてしまうこの契約形態にあるのではないかと思います。

興味がある方はこちらのビザスクの規約を参照していただけたら面白い内容を見つけることができると思います。

ついでに、関連する各社のリスクを下記に確認していきましょう。

情報の依頼者側:金銭損失、誤情報などのミスリードによる投資損失
金銭リスクは極めて小さいので、問題はミスリードになりますが、これは一つの質問に対して複数名に回答を依頼してリスクを分散することになると思うので極めて小さいのではないかと思います。

登録アドバイザー側:勤務先からの懲罰、解雇、損害請求
「個人」の情報提供者として、ビザスク側に保護されており、ビザスク側から漏れる心配はないので、漏れるとしたら、依頼側のアクションに起因するものになるかと思います。

ただ、依頼者側も登録者の情報を漏らすメリットはあまりないので、間接的に新規サービス内容を先取りされたなどの内容になり、個人の特定はされにくいと思います。

登録者の勤め先側:社内情報の流出
登録者の勤め先は、自社情報がリアルタイムで外部から観察されている状況に気づくチャンスがありません

基本的に、会社の情報を欲しがられる場合は、その会社がベンチマークされているからであって、新規参入、コンサルタント、金融機関のすべてのケース、10中8,9勤務先企業には不利になるのではないでしょうか。

今後、勤務先の企業は、ビザスクに、個人情報保護の観点から、自社の登録者の情報公開は要求できないと思いますが、自社に関する流通情報はチェックできるように要求してもいいように思われます。

ただ、調査される側のトヨタなども利用会社として入っているので、もしかしたら、調査されるより、調査できることの価値を重視しているのかもしれません。出資者にトヨタは入ってなかったので内部での情報流通の操作はできないかと思います。

今後の情報戦でどのような役割を果たすのか、各社の思惑が表れることになりそうです。

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