1000冊から選ぶおすすめ起業本
私は、もともと本が好きなのですが、その中の一ジャンルとして、ビジネス書もよく読んでおり、現在までに少なくとも1000冊以上はビジネス書を読んでいます。
購入書籍の情報源としては、周りの口コミや土井英司さんが運営する無料メルマガ「ビジネスブックマラソン」、書店の本棚など利用しています。
私が自ら読んだうえで、起業に役立つ本として友達に勧めているのが下記の3冊です。
1.「顧客が熱狂するネット靴店 ザッポス伝説」トニー・シェイ (著)
2.「ザ・プロフィット 利益はどのようにして生まれるのか」エイドリアン・スライウォツキー (著)
3.「新訳 ハイパワー・マーケティング あなたのビジネスを加速させる「力」の見つけ方」 ジェイ・エイブラハム(著)
それではどんな点で役に立つのかを紹介していきましょう。
史上最強レベルの顧客満足を学ぶ
あまり知られていないのですが、ビジネスの根底にある顧客満足を語る上で、避けては通れないと考えて一番に入れました。
ザッポスは、本著者トニー・シェイらの出資を受けて創業され、2009年11月に1200億円の評価額でアマゾン・ドットコムに買収された会社です。
米国最大の靴のオンライン小売として知られていましたが、実際に、ザッポスが売っていたのは「靴」ではなく、靴の購買行動を通して得ることができる「感動」だったのです。
顧客満足で人気が高いディズニーランドやリッツカールトンの本も読んだのですが、起業に立ち会い、ほぼゼロから売上高1000億円を超える企業にまで成長させた創業者が書いているこの本には及ばないと考えています。
知られざる名著として一部の人に人気です。Amazonからレビューを抜粋しましたので下記をご覧ください。
ザッポスのトニー・シェイの回想録です。
前半はトニー・シェイの生い立ちおよびザッポスに関わるようになった経緯と今までの成功に至る道のりが書かれています。
同様な本はたくさんあるのですが、本書はなぜか他の類書に比べものすごいライブ感があり、トニー・シェイに起こる様々な出来事が映像として迫ってきます。これはたぶん本人が虚飾なくありのままを率直に語っているからであろうと思え、著者の人間性がうかがえます。
後半はザッポスがなぜ社員・顧客から支持されるのかについて、企業文化の構築の推移を軸に紹介されていて、企業文化が構築できれば半分は成功したものと同じという著者の主張に納得させられます。本文中で印象的な言葉が「企業文化の内容が重要なのではなく、企業文化を明確化することにより一体感ができることが重要」というくだりには非常に感銘を受けました。
「すべての関係者に幸せを届ける」ということを信条としたオンラインショップのザッポス・ドットコムCEOのトニー・シェイ氏が自らザッポスの歴史を書き上げたもの。ビジネス書とは思えない読みやすさ(やわらかさ)で、ストーリーに引き込まれてあっという間に読み終えてしまった(訳者後書きによると、原書はさらにフランクな書きぶりとのことである)。所々にはさまれている従業員が書いたコラムからもこの会社で働くことの楽しさがうかがえる。一方で、本当に、こんな楽しいやり方で収益が上がるのだろうかという疑問を持ってしまう。約1年前にアマゾンの子会社となっているが、その信条や運営は変えることなく、CEOのトニー・シェイ氏が指揮をとっている。アマゾンがなぜ同じようなサービスを提供するザッポスを買収したのか、そして、ザッポスとアマゾンが競合せずに利益を上げ続けているのか、そういったことが知りたくなってしまう。
ザッポスの企業文化。リッツカールトンのミスティックに近いと感じたが、リッツの場合はミスティックの舞台は殆どがホテル内部であるのに対し、ザッポスの場合はリアル・バーチャル問わず全フィールドである。「果たして君たちに真似ができるかな?」と、トニー・シェイがつぶやくのが聞こえてきそうな位 内部をさらけ出している。本当のオープンマインドとはこのようなことを言うのであろう。
「顧客が熱狂するネット靴店 ザッポス伝説」トニー・シェイ (著)
あらゆるビジネスの利益の源泉を把握する
若い会社員スティーブが賢人チャオに弟子入りして、23のビジネスモデルを学んでいく物語です。
この本は、純粋に物語を楽しむという使い方もできますが、ドリルのような使い方もでき、自分の思考トレーニングに最適です。
自分をスティーブ役として、チャオから浴びせられる鋭い質問に、自分なりに答えを出し、答え合わせとして、ストーリーを読み進めるという使い方をお勧めします。
例えば、本書の中のチャオからの無茶ぶりの一つに「業務用帳票類のスペシャリストといわれる企業がなぜ高収益なのか」という質問があります。
皆さんも、スペシャリストが高収益を上げやすいことは直感的に分かると思います。
では、それがなぜかを考えたことがありますか?
まず、顧客のシステムを熟知することで、製品やサービスを提供する上でのコストアドバンテージが生まれます。
コストアドバンテージというのは、顧客の要望を正確に分かっているので、無駄な費用をかけなくて済むということです。コストアドバンテージは実際数字で表すとどれくらいといえるでしょうか?
無駄な費用といえる部分がどこにかかるかが問題なのですが、業務帳票類のサービス提供の場合、情報サービス業といえるので、それは人件費といえるでしょう。
情報サービス業の売上高人件費率の業界平均が30%かかるなかで、初回納品で完了する場合と、2回訂正し、3回目で納品する場合の売上人件費率は、下手をすれば10%程度もの違いが生まれます(10%の根拠は修正にかかるであろう時間から逆算します)。
業界内での人気も高まり、人気の高まりは、販売サイクルの短期化として表され、月次売上高を押し上げます。
人件費を抑制する必要がないので、優れた社員を引き付けられ、さらなる品質改善と価格交渉力の強化ができます。
さらに、この情報サービス業の商品原価は、開発費(ほぼ人件費)なので、開発後に、納品した時点で原価回収が終わっています。
つまり、2回目以降の納品は、原価の部分がすべて利益になるのです。
その場合、売上高利益率は70%程度まで跳ね上がります。
これが、スペシャリスト、そして、情報サービス業のスペシャリストが高収益になりやすい理由です。
この本を読むことで、このような思考形態を学べます。
「ザ・プロフィット 利益はどのようにして生まれるのか」エイドリアン・スライウォツキー (著)
自分にレバレッジをかける
1万人の経営者を指導してきた全米トップマーケターのジェイ・エイブラハムが経営の細かな改善点を具体例を交え解説している本です。
2000年にフォーブス誌にて、米国トップ5の経営コンサルタントの一人として紹介されています。
実は、彼は重度の飽き性で様々な業界の企業を転々としていたのですが、そのおかげで多様なビジネスモデルについて知ることができました。
そのバックグラウンドをうまく活かし、ビジネスモデルの移植コンサルタントとして、最先端の業界のビジネスモデルを、他の業界にインストールしていきました。
現在はそのような業界格差は小さくなっているとされ、彼の手法は時代遅れといわれることもありますが、彼の本質はそこにはないと私は考えています。
彼の凄さは、自分へのレバレッジのかけ方にあります。起業家にお伝えしたいのはこのポイントです。
例えば、彼は単発のサービスを売るのではなく、成果によって増えた利益の増分の数%を報酬として一定期間もらい続けるという契約をしています。
労働集約的で消耗しがちな部分を、ストックビジネス化してしまったのです。
さらに、ジョイントベンチャーという仕組みを使いこなしています。
ジョイントベンチャーとは、自分がビジネスをする上で保有していないリソースやスキルを保有しているパートナーとチームを組むことで、商品化から販売まで一貫してやってしまうというものです。
つまり、商品を持っていなくても、営業能力さえあれば、売上を立てることができるます。
製作者側は、ニッチな商品を作っても、売り手に効率的にアプローチできない場合、販路や営業手法が確立している方と組むことで、販売攻勢をかけることができます。
契約も理解しておかなければならいなのですが、このような手法を知っているのといないのでは、起業後の生存能力に雲泥の差が出ます。
この本では、それらのレバレッジのかけ方とそのアイデアが学べます。
「新訳 ハイパワー・マーケティング あなたのビジネスを加速させる「力」の見つけ方」 ジェイ・エイブラハム(著)
ただ、ジェイ・エイブラハムを語った怪しい勧誘には気をつけましょう。時々見かけます。
最後に
記事作成当初は8冊紹介しようと思っていたのですが、上記3冊のインパクトが強すぎるので、数を絞りました。
紹介しようと思っていた、神田昌典さんシリーズの「あなたの会社が90日で儲かる!」や和仁達也さんの「年間報酬3000万円超えが10年続く コンサルタントの経営数字の教科書」などは別の機会に紹介できればと思います。
また、3冊では物足りないという方向けに、起業本を紹介されている他のサイトのリンクも貼っておきます。
【失敗しない】起業をする前に読むべき起業本ランキングTOP10。会社経営者がおすすめする起業本はこれだ!
いろいろな本に触れ、自分にとってのバイブル本を見つけてください。きっと苦しいときにも起業を支えてくれる存在になるでしょう。私の紹介した本が皆さんのお役に立てばうれしいかぎりです。