昨日の記事にて、自分で作業工程表を作成してみる旨書いたのですが、作業工程表について調べれば調べるほど、運用に耐える作業工程表作成を未経験者がゼロベースで作成ことは厳しいことがわかってきました。
残念ながら、かなりざっくりな作業工程表になりそうです。
作業工程表に登場するメインキャラクターは下記の役職になります。
プロデューサー:作品全体のリーダー、複数ゲーム兼務、プロモーション担当
ディレクター:開発リーダー、作品クオリティに責任
プログラマー:プログラム、サウンドなどの分野に分かれる
スクリプター:ゲームエンジン向けのスクリプトを記述
アートデザイナー:ビジュアル面を担当(2D、3D、背景、キャラ等で分岐)
プランナー:ゲームの企画、仕様作成、進捗管理など何でも屋
コンポーザー:サウンドクリエイター
デバッカー:テスター、外部委託が多い
開発メンバーはプロデューサーやディレクターがゲームのテイストに応じて決めることになります。
開発手法は2パターンあり、全体を一括で企画→仕様→開発→テストに区切り工程が組まれるウォーターフォール型と、ゲームのリリースを分割し、小さなパートでの企画→仕様→開発→テストを積み上げていくアジャイル開発型があります。
アジャイル開発型は、ウォーターフォール型が開発会社にとって過酷すぎたためできた手法らしく現在ソーシャルゲームの大半はアジャイル開発型で行われているようです。
どちらの開発形態であっても仕事の流れは変わりはありません。
仕事の流れは、主に作業責任分担表(TRM)とガントチャートにより表すことができます。
作業量を1日単位に細分化し、それを担当者と担当期間に紐づけ、TRMとガントチャートに落とし込んでいくことになります。
ここでわかったことは、プランナー及びディレクターの力量が、スケジュールや現場の混乱にダイレクトに反映される、ということです。
というのも、このスケジュール設計でプランナー及びディレクターに要求されているのは
・あらゆるカテゴリーの作業工程の把握
・そこから、導かれる正確な作業量の把握
・担当者ごとの処理能力の把握
となります。
多岐に専門化している工程では、プランナー及びディレクターだけで、これらのことを把握するのが不可能なように思われるので、各専門家にヒアリングしてスケジュールは作成していくことになるでしょう。
その際のヒアリングや内容説明が甘く、作業工程の抜け漏れや仕様書への記載漏れが発生した場合、スケジュールの都度変更・遅延が発生していきます。
また、忘れてはいけないのは、彼らの指示内容には、概要の抽象的な説明だけでなく、技術的な指示内容も含められなければならないことです。
例えば、3Dデザイナーへの依頼の際には、希望のテイストやイメージだけでなく、ポリゴン数やボーン数の指示、UIデザイナーへは、画面構成や表示サイズの指定だけでなく、データ形式などの技術的な指示もしなければなりません。
これらの指示内容をプランナー及びディレクターの頭の中だけで決めるのはかなり厳しいものでしょう。
担当者とコミュニケーションしたうえで、さらに、過去の類似作品の作業責任分担表やその進捗状況をみて、スケジュールを策定していくと思うのですが、過去作とは異なる機能を追加する際にかかる労力は半端ではないものが垣間見えます。
少なくとも過去の仕様書・指示書はすべて読み込んで想定領域を広げておく必要があるでしょう。
以前はディレクターになるのはプランナーから昇進するのが一般的でしたが、現在では、技術的な実務を経験しているグラフィックデザイナーやプログラマーから昇進する人が多いようです。
技術的な落とし穴への対処がいかに大事かもわかります。
これらの内容を踏まえ、ゲーム単位での必要資金はどれぐらいになるのかもざっくり確認していきます。
3か月で完成する簡単な神経衰弱ゲームで実際のスケジュール感・人月感をみていきましょう。
プランナー3人月
1月目:仕様検討・仕様作成、2月目:仕様書作成・指示書作成
3月目:再検討・更新、デバック、配信申請
デザイン1人月
仕様書確認し、素材の精査・画像素材作成・デザイン調整
サウンド0.5人月
素材の精査を確認し、イメージ作成・サウンドデータ作成
プログラマー1人月
デザイン・サウンドイメージを確認し、仕様の精査・アプリ開発・調整
人月はゲーム業界の平均80万円とすると、この神経衰弱ゲームは人件費だけで440万円(5.5人月分)かかることがわかります。
ニンテンドー3DSでは1ゲームにつき20人で2年程度(人件費4億円程度)、PS4だと1ゲームにつき100人で3年程度(人件費30億円程度)かかるそうです。
ソーシャルゲームの平均といわれる3000万円規模は37.5人月分、大規模開発といわれる1億円規模は125人月分となります。
3000万円規模は下記のような形になるのでしょうか。
プランナー18人月(1年1.5人)
デザイン8人月(4か月2人)
サウンド3.5人月(3.5か月1人)
プログラマー8人月(4か月2人)
合計37.5人月分
作業工程表の解像度をあげるため、既存アプリの機能やデザインを分解してどのように組み立てられているかをシミュレーションしてみようかと思います。