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契約からストラクチャー(取引フロー図、全体像図のよう)を理解し、ストラクチャーをフィナンシャルモデルに落とし込む流れをたどり、その際にはデフォルト確率をモンテカルロ・シミュレーションによって計算した後にキャッシュフロー計算を行うなど各案件ごとに異なる工程をとる。
ただ、基礎となるキャッシュフローモデルはそこまで変わらないので、ベースを押さえておく。キャッシュフローモデル自体はそこまで珍しいものではないかと思うのでここでは案件のモデルへの組み込みについて注意を払っていきたい。
また、アナリストの方が分析を行うときの観点は該当資産から生み出される将来キャッシュフローが、最も低いコストでの資金調達を行うのに十分な額かどうか。
事前の滞納・債務不履行・期限前返済の状況も影響を与えるので知りたい項目。
この後で格付け期間のストレスチェックも行われる。
モデルを用いて格付機関(格付け付与できる基準化)、監査法人(データは正確か)、弁護士事務所(ストラクチャーが適切に反映されているか)とのコミュニケーションをとる。
重要書類として、クレジットメモ、タームシート、契約書、信託契約がふくまれるとのこと。金融機関と買手との間の主要な融資条件の交渉は、タームシートの作成を通じて行われる。
ローンレベル法にて個別債権の債権期間、残高、金利、スケジュールを把握し、それらの加重平均を取ったものをスケジュールに落とし込んでいくことになる。これはきちんと取れるので実施する。変動金利の場合は金利の見直し頻度なども関わるので若干複雑性がます。変動金利の予測は金利先物カーブや格付け機関のストレスカーブをベースにして考案する。
また、期限前返済も債権保有者としてはありがたくない現象で予定していた金利収益予測が狂ってしまう。
返す側にとっては、借り換えや別途収入で返済できるのでプラスの印象を持っていた。案件を合成する証券組成の場合は金利分の見込まれていた支払いが消滅するので損失となる。
アモチゼーション(Amortization)についても組み込む。これは取得価格が償還金額を上回っている債券の償還差損を、償還時に一括計上するのではなく、期間案分して簿価を平均的に引き下げて損金計上すること。
キャッシュフローモデルを見ていくなかで倒産確率や延滞率などの損失をいかに適切に反映させるかが肝であることがわかってきた。
シニア・ローンは、資金調達の構造上で最も期間が短く、返済が最優先され、かつ、多くの場合は有担保のファイナンス。期間も短いのは認識できていなかった。
劣後ローン(メザニン・ファイナンス)は有利子負債と自己資本の中間的位置づけ。シニアローンと普通株式による資金だけでは買収資金を調達できない案件や、買収対象事業の成長予想やリスク評価の難しい案件などで機能するよう。