ビジネスモデル事例集 起業

ビジネスモデルの作り方

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新規事業・起業の発生条件とは

まず、結論から言うと、新規事業の立ち上げ及び起業を検討されているときに、ビジネスモデルの作り方を学ぶ必要はありません

順を追って説明していきます。

そもそも、新たなビジネスチャンスはどのように生まれるかご存じでしょうか。

新たなビジネスチャンスは、顧客が抱えている商品への不満であったり、サービスの問題点まだ満たされていない欲求から生じます。

それらの問題点を見つけ出し、解消する手段を提供することで、顧客が満足し、その対価として収益が発生するのです。

なので、新規事業を立ち上げられる方が最初にしなければならないことは、顧客が抱える問題点とその解決策となるサービスを作ることなのです。

問題と解決策のセットを見いだせたら、解決策となるサービスが、本当に顧客の問題を解決するのか、そして、需要が十分な量が見込まれるかを検証する必要があります。

革新的サービスの場合は需要を予測することが難しく、実際にマーケットへサービスをトライアルで出すことで、市場の反応をみる必要があります。

撤退コストが少ないWEB業界ではこのようなやり方が一般的です。

市場からのフィードバックを得ることで、需要がないと判断できた場合は速やかにそのサービスは中止し、手ごたえがある反応だった場合にはサービスを改善して、再度マーケットに出します

このような工程を複数回重ねることで、初めて販売できる商品・サービスというものが出来上がります。

その時点でその商品・サービスが世に出回っていないものであれば、巨額のマーケティング資金を投下するだけで、マーケットリーダーとしての認知度を先行者利益として得ることができます。

その後、稼いでいることが世間に知られると、大手が後追いしてきますが、先行者利益で得たものを再投資し続けることで一定以上のシェアを確保することができます。

昨今はフリーミアム戦略など、先に認知だけ獲得し、後でマネタイズしていくというモデルも成り立っており、新規ビジネスはやりやすい環境になってきています。

ここまで、新規事業・起業の簡単な流れを見てきましたが、ビジネスモデルという単語が一言も出てきませんでした。

では、ビジネスモデルは必要ないのでしょうか。そもそも、なぜビジネスモデルを作るという言葉が使われるのでしょうか。

ビジネスモデルが必要とされる理由

経営を行ううえでより多くのビジネスモデルを理解しているほうが有利と言われます。
その理由は、事業を運営していく上で、より多くの選択肢を持つことができるからです。

ゲームのように、より多くの手札を持っている人が有利に場を進められるのです。

試しに、来客数が少ないという問題を抱える小さな飲食店の店主の例で考えてみましょう。

店主Aは、来客数が少ないということは自店舗の認知度が少ないからだ、として、集客力強化のため「食べログ」への広告を決めました。

一方、ビジネスモデルのパターンを理解している店主Bは下記のように考えることができました。

来客数が少ないということは・・・
自店舗の認知度が少ない。その場合は「食べログ」への広告
決済手段が少ない。その場合は、カード決済も可能にすべく「Square」の導入
立地が悪い。「ポケモンGO」でポケストップ設置による販促
価格が高い。地域店の連携して一括仕入れによる値下げ実施
人件費が高い。店舗内導線の再構築工事に着手
商品提供時間が遅い。メニューバランスと器具のバランスの見直し

店主Aと店主Bでみると、来客数が改善する見込みが高いのはどちらでしょうか。店主Bのほうですよね。

さらに、このように改善策が思い浮かぶ人は、常日頃からチェックする項目も多く運営している事業に対する解像度もきわめて鮮明になるのです。

これがビジネスモデルが役に立つといわれる理由です。

つまり、ビジネスモデルは作ることよりも、知っておくことのほうが重要なのです。

しかし、これから事業を起こされる方に、より知っておいてほしいことがあります。

それが、先にも述べた、需要の発掘作業です。

0から1を生み出す際の労力は並大抵のことではありません。成功しているスタートアップどのように需要を発掘していったかを紹介していきます。

スタートアップの需要発掘例

楽天

三木谷社長が楽天を作った1990年代は、ECサイトへの信頼が低く、スーツで営業に行くと、詐欺と思われ、話を聞いてもらえないことがありました。そこで、心理的距離を縮め、話を聞いてもらうために、わざと汗をかき、Yシャツ1枚で営業を行い、店舗を獲得してまわったのです。

Amazon

サービスをリリースした当初には、類似サービスが多くありました。そのため、苦肉の策として、開発に関わった人々全員が、サイトのURLを家族や友人に送ることで、その存在を知らせ初期の売上を上げたという過去があります。

Twitter

最初は従業員同士のつぶやきを中心に利用され始めました。その後、シリコンバレーのスタートアップ系のイベントにてTwitterを紹介することで、外部のユーザーを獲得していったのです。

Apple

ジョブズ達が自作したサーキットボードを地元の展示会で発表し、その際、パソコン販売店を営んでいたポールと出会い、単価$500×50ユニットの受注を受けたのが始まりです。

Microsoft

ビルゲイツ達は、パソコン製造メーカーMITS社に営業電話をかけ、ソフトウェアの重要性を売りこみました。しかし、営業時、彼らはMITSのパソコンを所有しておらず、ソフトも未完成の状態でした。受注後、大学のPCを利用し、8週間でBASICを作り上げ、納品を成功させたのです。

食べログ

はじめはグルメ本を買ってきて、手打ちで、データベースを作成するという地道な作業をしていました。友人に声をかけたり、めぼしいブログのコメント欄に書き込んだり、先行サイトのメッセージ機能を使って初期ユーザーを獲得していったという背景があります。

Airbnb

スタートダッシュ時には、デザインカンファレンスの来場者に需要があることを見極め、デザイン関連のブログにかたっぱしからメールを出し、記事にしてもらいました。

また、その後、ユーザー数が伸び悩んでいる時、当時アプリに掲載されていた50件全てのユーザーの家に実際に出向き、ユーザーの方々を飲みに誘い、そのなかでお互いの思いや感想を伝え合い、サービス改善の参考にしたのです。

終わりに

ビジネスモデルの作り方について気にしている起業家や新規事業責任者を時折見かけますが、新規事業を成功させるために本当に重要なことは、顧客の問題の発見と解決策の考案、そして、それが正しいか検証するサイクルを回し続けることです。

ビジネスモデルを作ることより先に、ビジネスを小さく始めることから実践していきましょう。

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