金消契約といういかにもお金が無くなりそうな契約がローンを組む際になされるが、いったいこれは何なのだろうか。
金銭消費貸借契約(金消契約)とは、金融機関とローン借主が、借入金額、返済年数、借入条件(金利・担保等)を定めるための契約。
金消契約は、ローン借主と金融機関との契約だが、不動産会社が間に入って手続きをおこなう場合もある。主もこの契約のために銀行に訪問したことはない。
簡単に、金消契約に至るまでの流れを説明すると、事前審査の承認が得られている金融機関に、書類などを提出。
融資を受けるためには、本人口座があることが前提となるので、口座がない場合には「口座開設の申込」もここで行う。
提出した書類に不備がなく内容に問題がなければ、およそ1週間~10日で、正式な融資承認が下りる。
融資承認が下りたら、金融機関と「金銭消費貸借契約」を締結して、ローンの実行(口座への振込み)、となる。
この契約を結ぶ上で大きく3つ気を付けるべきことがある。
①ローン実行日の◯日前までに契約
金融機関によって「ローン実行日の◯日前までに契約しなければならない」というルールがある。
融資実行予定日から逆残して日程で契約する必要がある。契約日をきちんと設定しないと、希望の引き渡し日に融資が実行されずトラブルにつながる。
②「期限の利益の喪失」条項
期限の利益とは、返済期日までは貸借した金銭を返済しなくてよいという債務者の権利のこと。
一定の条件を満たしている限り、銀行は債務者に一括返済を要求できない。 ただ、ある条件を満たすと「期限の利益」が失なわれ、債権者は一括返済を要求できる。
一般的な期限の利益の喪失条項は、以下の4項目。
・借主が倒産手続に入ったとき
・借主が他の債権者から差押、仮差押、仮処分を受けたとき
・借主が他の債権者から競売、破産、民事再生の申し立てをうけたとき
・借主が税金の滞納処分を受けたとき
最後の項目である税金の滞納処分が一番身近に感じるのだが、税金の納付をきちんとしなかったら、ローンの全額返済を求められることになる。
これを見たら、面倒な計算だからと後回しにせず、一番最初に片づけてしまうべき項目であることがわかる。
③適応金利
実際に住宅ローンを支払う金利のことだが、契約日と融資実行日が別の月になる場合は適用される金利が異なることがある。
例えば、1月31日の金消契約終結時の適応金利は1.0%だったにもかかわらず、2月1日の融資実行時の適応金利1.1%となることがある。
これは金利が毎月見直されているためで、融資実行月が適応金利になる場合は、金消契約時での適用金利とは異なってくる。
金消契約時の月が適応金利対象になるのか、融資実行日の月が適応金利対象となるのか、金融機関に事前に確認しておく。いつのまにかお金が消えているなんてことになりかねない。