アストロボールの内容についても触れているので、ネタバレには注意してください。
現在マネーボールの続編であるアストロボールを読んでいるのですが、期待通りのおもしろさです。
特に好きなパートは、データアナリストが、常識・人間知をもとに野球選手を評価する普通のスカウトに予測負けしてしまうところで、その要因は、データには表されていない部分が選手の未来の戦闘力に影響を与えていることが分かるところです。
ここから、データにいかに人間知を融合させるかの戦いが始められることになります。
マネーボールではデータ導入で旧体制を破壊していく英雄譚でしたが、アストロボールでは、その後の、データ戦術が普及し終わった、より繊細な戦いを強いられる世界の話を書いており、現在のビジネスにも活かせる内容が含まれているように思われます。
例えば、スカウト達の人間知を選手のスケール評価により数値化などは参考になるのではないでしょうか。
スカウトの保有する知識を数値化することで二つのことがわかります。一つは将来有望な選手の洗い出す際に有効な指標、次に、誰が正確な観察眼を持っているスカウトなのかです。
有効な指標と評価者の能力を判断する際には、過去の選手のスコア化(おそらく、過去のメモをもとに数値化したのだろう。)と合わせて行います。
まず、過去の選手メモからのスコア化により、どの人間知が選手の成功に寄与しているかがわかます。
同時に、そこから、どのスカウトの目利き力が高いのかも判別できのです。
また、現在の選手スコアから、過去の類似スコアをもつ選手を見つけ、その過去選手の成長をみることで、現在の選手の未来予測にもつかえます。
肝となるのは、過去の選手のスコア化なのですが、ここを過去のメモ以外の方法で実現する方法ができればおもしろいと思います。
直感を含む人間知が観察対象なので覆面人間判断では少し難しいように思われます。
いずれにせよ、このシリーズは学ぶことが多くおすすめです。