電気料金明細から謎の電気消費源を突き止めたら、浄化槽のブロアーの使用電気代だったということはないだろうか。
そもそも浄化槽という存在を知らない人も多いと思うのでそこから説明する。
公共下水道などが整備されていない地域の生活で発生する汚水をきれいにして川などの外部環境に放流するための装置が浄化槽である。
まだまだ、日本には下水道が整備されていない地域があるようで住宅の建設時などに地下に埋め込まれることになる。
浄化槽内の微生物が汚れを分解することで水をきれいにして放出している。
この微生物も生きていくためには酸素が必要でその酸素を外部から供給してあげる役割を担っているのがブロアーと呼ばれるエアポンプである。金魚に酸素を与えるイメージに近いだろう。
浄化槽にも種類があり、単独浄化槽と合併浄化槽というものがある。
合併浄化槽のほうが高性能となっている。性能を表す単位としてBOD除去率というものが使われるのでBOD:生物化学的酸素要求量についても少し触れる。
BODは水の汚れを表す指標で、微生物が水の汚れを分解するときに使う酸素の量のことを指す。BODの値が高いときには汚れ(微生物にとっては栄養分)が多いことを示す。
ちなみに、水に溶けている酸素の量は約10mg/Lなので、BOD10gの汚れを流してしまうと、分解するのに約1,000Lの水が必要となる。BODの恐ろしさが分かっただろうか。
BODについて調べる中で、主は幼少期に見たドブ川を思い出した。あれが排水の失敗というやつなのだろう。
汚物は流れていなかったので単独浄化槽が各家で使用されていたのだろうと推測されるが、その処理能力では追い付かず、最終的に排出されたBODが多すぎ、水量が足りず、微生物がその酸素が少ない中で強引に有機物の分解を進行させていった結果、硫化水素等が発生し、ドブ川が形成されていったのだと。
浄化槽の性能は大事だとしみじみと感じだ次第である。興味がある人は自分の家・物件が下水道を使用しているのか、浄化槽を使用しているのかなどを確認してみてほしい。