本日は米国不動産投資歴30年の長老とお茶をする機会があり、いろいろ話を聞いた。
その時の会話を一部紹介する。
長老「そこに道路があるじゃろ?その道路の向こうとこっちでは住宅の値段が3割程度違う。こちらが1億円だとすると、向こうは7000万円だ。どっちが人気だと思う?」
主「道の向こう側じゃないんですか?こんな近いんですし」
長老「ブッブー不正解。値段の高いこちらが人気じゃ。cap rateが2.5~3%と低いにも関わらずな。ちなみに向こうは4.5~5%は取れるじゃろう」
主「え、最高のレートじゃないですか!なんでなんですか?」
長老「行政の管轄区域じゃよ」
主「行政?」
長老「道の向こうはロサンゼルス郡管理、こちらはトーレンス市管理。こちらで犯罪が起こると警察が2分でくる。では道の向こうで犯罪が起こるとどれくらいでくると思う?」
主「10分ぐらいですか?」
長老「40分じゃ。犯罪者にとっては天国じゃろう。つまり、犯罪が起こりやすい区域なんじゃ。米国で性犯罪を犯したらその犯罪者の住居は行政からネットで晒される。その行政のサイトを覗いてみなさい。こちらの区域はせいぜい数件じゃろ。向こうはその20倍程度おったと思うぞ」
主「それは・・・住む人の階層が全く違いますね。それは投資したくないかも」
長老「さらに行政とは学区も関わってくるから所得によって分布が偏るんじゃ」
主「あ、学区の話は聞いたことあります。親は子供のためにいい学区を押さえて、子供にいい教育を受けさせるって」
長老「そうじゃ。それなのに、こんな当たり前の現地情報を知らず表面的なcap rateに騙されて投資する日本人がいかに多いことか。どうなるかわかるじゃろ?」
主「最悪のケースは犯罪に巻き込まれますね・・・」
長老「そこまではいかんにしても、賃料滞納・修繕費用・クレーム対応などは段違いに多いじゃろう。そこんとこを覚悟して投資せんとのう」
主「なるほど勉強になります。物件資料を手に入れたら真っ先に現地の土地柄について調べるようにします」