ビジネスモデル事例集

まだ間に合う?太陽光発電は儲かるのか?

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10年前もてはやされた太陽光発電は、ビジネスモデルとして今もまだ成立するのか、試算してみました。
まずは、あの話題の売電価格から見直していきましょう。

2012年
10kw未満の住宅用固定買取価格は42円
10kw以上の産業用固定買取価格は40円

2020年
10kw未満の住宅用固定買取価格は21円
10kw以上の産業用固定買取価格は13円

買取価格はこの十年で爆下げ状態です。また、太陽光パネルで発電した電力はすべて買い取ってもらえるわけではないことは皆さんご存じのとおりです。

住宅用の太陽光発電は余剰買取制度に基づき、家庭での消費電気を差し引き、余った分だけが売電できます。なので、一般的には、売電電力量は生産したものの70%前後となるようです。

産業用の太陽光発電も2020年からは全量買い取りされなくなり、余剰買取制度が適用されることで、一定水準以上(申請時50%、稼働時30%)の自家消費が求められるようになっています。かなり使いづらくなりますね。

ちなみに、固定買取制度の電力の買い手は、電力会社で、もちろん国ではないです。これは、国が一定期間固定価格で電力会社が買い取ることを「約束」しているということです。

2020年時点では、住宅用の太陽光発電に対しては10年間、産業用の太陽光発電に対しては20年間の固定価格での買取を約束しています。この期間に初期投資の回収目途を立てておく必要があります。

というのも、固定買取価格の期間を超えると大手電力会社などに電力買取を依頼することになりますが、その値段が破格の安さなのです。東京電力の場合でみてみると、8.5円/kWhなどと10円を割っています。

これらの情報をみると太陽光発電はもう儲からなくなったと位置づけられてしまうかもしれませんが、資材効率などの向上により、コストパフォーマンスは変わらないという試算をしている方もいらっしゃいます。

2009年度から2018年度までの5kw太陽光パネルの設備導入費用の推移を表している興味深いグラフがあったので紹介します。こちらによると導入費用は304万円から140万円と約半額になっていることが分かりますね。

https://www.solar-partners.jp/category/price

「140万円の導入費用」も経済産業省が算出した日本全国の太陽光発電の相場価格145万円を参考にしているようなので真実味はありそうです。

実際に東京で5kwの太陽光発電を運用した場合のデータを参考にさせてもらうと、一年間の売電収入は95,382円(21円計算、自家消費は除く)となり、年間利回りは6.57%と計算できます。

大体の利益感が分かったので、ここで産業用太陽光発電の運用を考えてみましょう。

産業用の太陽光発電には区分けがあり、10kw以上50kw未満と50kw以上の2パターンに分けられます。

50kwを超えてしまうと価格が1500万円程度と高額になってしまうだけではなく、専任の技師を置かなければならなくなるので、今回は規模が小さめなタイプで考えていきましょう。

10kw太陽光発電一式の購入価格を290万円とし、先の電力発電量を基に計算、59,046円(産業用13円/kw適用)の売電収入と仮定する。

そこから下記費用を差し引いていくこととなるのですが・・・
・メンテナンス費用:
1万円(パネル容量(kw)×1000円)
・償却資産税:
4万円程度(資産評価額の1.4%)
・損害保険料:
8万円(kw×8千円程度)
・パワーコンディショナー取り換え:
2.5万円(10年定期25万円)
・定期メンテナンス:
5千円(4年に一回2万円)
・清掃費用:
5万円(kw×5千円)

これらの費用合計は21万円。

あれ、15万円程度の赤字?普通に計算したらマイナスになってしまいました。

場所選び、補助金獲得、そして、保険料や清掃費用をもっと安く済ましたりする必要がありますね。

太陽光パネルの変換効率を維持するためには、掃除は必要だと思うのですが・・・鳥のフン、ダスト、木の葉など太陽光を妨げるものは山ほどあるはずなので。

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