ビジネスモデル事例集

月間利用者4400万人を誇る「note」のビジネスモデル

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ついに、noteの月間アクティブユーザー数が4400万人(2020年3月時点)に到達しました。

そもそも、「note」とは、クリエイターが、文章やマンガ、写真、音声を投稿することができ、ユーザーはそのコンテンツを楽しんで応援できるウェブサービスです。

実は文章だけではなく、音声まで投稿できたんですね。

note上では、誰もが創作を楽しんで続けられる場として、好きなものを見つけたり、おもしろい人に出会えたりするチャンスを広げていくことをモットーにして運営されています。

2011年12月に株式会社ピースオブケイクとして生まれ、noteのサービスは2014年4月に開始されました。現在までに約500万件の作品を生み出し、2020年4月7日に社名をnote株式会社に変更しています。

noteの問題解決

noteが設立されたきっかけは、「需要は増加しているが、収益化が難しいデジタルメディアのジレンマ」を加藤氏(代表取締役CEO)が、出版社の編集者という立場で感じてきたことにあります。

デジタルメディアでの収益化の定石は、膨大なトラフィックを集め、そのトラフィックに対して広告を打ち、稼いでいくという形態で、必ずしも、質の高いコンテンツを作ることが、収益に繋がることになりませんでした。

特に、クリエイター(作家、音楽家、デザイナーなど)の駆け出しの時期は認知を得ることは非常に難しく、広告以外の収益モデルを確立しなければ、質の高いコンテンツを作り続けることは難しいといわれています。

なので、加藤氏は、広告に限らない、クリエイターが収益を得て創作活動を継続する手段の一つとして、noteというプラットフォームを作り上げたのです。

クリエイターの作品と、そのコンテンツにお金を払ってでも読みたいと思うユーザーを結びつけるマッチングサービスがnoteなのです。

また、note側の主張にもあるのですが、彼らの本質的な価値は、noteによる「マネタイズ」の部分よりも、noteが提供する「良質な作品との出会いの場」にあるとしています。

この「良質な出会い」により、結果として、収益が発生するという流れになっています。

私も初心者としてnoteの作品を投稿したことがあるのですが、数日間に渡り、お勧めの記事に載せていただいていました。

始めたばかりなので、フォロワーも、フォローしている人も誰もいなく、note内部でのランキング構造などもわからない状態での投稿だったので、なぜ、お勧めの記事に載せていただけるのかわからず、その仕組みを調べてみました。

そうすると、面白いことがわかりました。

実は、noteのお勧めの記事は、note内部の運営者が自らの目でチェックして、ふるいにかけ、likeの数、フォロワーの数に関係なく、彼らがお勧めできると思ったものを載せているということです。

この仕組みを知った時、彼らがやろうとしているのは、デジタルコンテンツ業界の取次店なのではないかと気が付きました。

この事実の裏付けとしては、彼らが設定している売買時に発生するプラットフォーム手数料率があり、出版業界の取次店の利益率10%と全く同じなのです。

出版業界の取次店の仕組み

そもそも、取次店とは、出版物の流通の役目を持ち、明治時代に雑誌を配送するかたちで誕生しました。その後、その配送ルートに書籍を載せて運ぶようになったことが、いまの取次店の形につながっているといわれています。

出版物がこのような形態をとるのは、出版物の重さと出版物の価格が関係します。

基本的に、物流業者は、積載重量の問題があるので、重くて単価が安いものは運びたがりません。その問題の配達を一手に請け負うことで、付加価値を生んでいるのが取次店です。

そして、配送頻度が高い雑誌配送網に書籍を載せることで、本来の流通にかかるコストから大幅に下げて配送することを可能にしています。

さらに、大事なことに、取次店には、新しく出る書籍の数量を自動的に割り振って書店に配送する「配本」という機能があります。

もう少し詳しく書くと、「配本」は、書店が注文していなくても、書店の立地や規模、過去の販売実績などに応じて新刊書籍を届けるサービスです。

「配本」を使うことで、出版社は発売前に書店から注文を集めたりする必要がないのです。

noteはこの「配本」の機能を担おうとしているのですね

noteのビジネスモデル

では、無料で機能公開しているnoteはどのように収益をあげているのでしょうか。

答えは、売買発生時に、商品を売却したクリエイター側からプラットフォーム利用料として10%を徴収しているのです。

少し料金体系が複雑なので下記に詳細を記載していきます。

先程、noteはプラットフォーム利用料を徴収するといいましたが、クリエイター側は他にも2つほどコストが発生します。それが、決済手数料、そして、振込手数料です。

要するに、売上金額から決済手数料、プラットフォーム利用料、振込手数料、の3つが引かれたものが、クリエイター側の手取りになるのです。

それらのルール(2020年4月時点)を基にパターン別に計算してみたので下記に記します。

決済手数料>購読者の決済手段に依存
クレジットカード決済:売上金額の5%
携帯キャリア決済  :売上金額の15%

プラットフォーム利用料>売上から決済手数料を引いた後に引く
有料記事、有料マガジン、サポート、サークル:10%
定期購読マガジン:20%(今回計算は割愛)

振込手数料(売上金の支払い時)
270円

有料記事を購入した場合を考えていきます。
1.クレジットカード決済
売上金額 - 売上金額 × 5%(決済手数料分) = 売上金額 × 0.95
売上金額 × 0.95 - 売上金額 × 0.95 × 10%(プラットフォーム利用料分) = 売上金額 × 0.855
売上金額 × 0.855 - 270(振込手数料分) = 実質手取り

2.携帯キャリア決済
売上金額 - 売上金額 × 15%(決済手数料分) = 残高B1
売上金額 × 0.85 - 売上金額 × 0.85 × 10%(プラットフォーム利用料分) = 売上金額 × 0.765
売上金額 × 0.765 - 260(振込手数料分) = 実質手取り

前月末までの未振り込みの売上金額が、合計1000円以上の場合振込申請可能なのでクリエイター側がマイナスにはならないようになっています。

このようにクレジットカード決済の場合、売上金額に対して14.5%の手数料と振込手数料がかかり、携帯キャリア決済の場合、売上金額に対して23.5%の手数料と振込手数料がかかります。

一見かなり、多めのように見えますが、出版業界の利益配分構造(クリエイター10%、出版社60%、取次10%、本屋20%)を考えるとかなり良心的な価格設定であることがわかります。

note株式会社の収益状況も見ていきましょう。

2018年度と2019年度の決算を比べると、2019年度は9,312万円の赤字(2018年度1億3,565万円)とまだ赤字ではありますが、収益性は改善されているようです。

さらに、2019年度の資産額合計が10億3,624万円と2018年度2億4,898万円の4倍以上まで膨らんでいるのも確認でき、企業の勢いを感じられます。

現状ではまだまだ、無名クリエイターの収益化は難しい現状があるので、そこを「お勧め機能」も含め、どのように改善していけるかが課題といえるでしょう。

noteの深津氏のnoteの収益化モデルの可視化がわかりやすかったので下記に添付します。

noteにおけるコア体験と相互作用メモ|深津 貴之 (fladdict)|note
可読性テストとして、書体や行間、文字色を通常のnote.muのページと変えています。ご了承くださいませ。 noteにおける最優先のユーザー体験は、「読んで楽しい」と「書いて楽しい」だと考えている。 この2つの相互作用があれば、最小構成モデルとしてエコシステムが機能するからである。 「読む」と「書く」の相互作用は、ユーザーの行動という側面で考えると、以下のような4要素のグロースサイクルとして落とし込める。 この4サイクルを精緻化し、効率よくグロースさせて行くことがサービスの基本戦略となる。 要素の関係性を精緻化する この4要素に「コンテンツ売買」と「シェア」、

面白いサービスなので今後も利用しつつ成長を見守りたいと思います。

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