RC造・木造という話はよく聞くが実際の違いはわからず、漠然とRC造が良いと思っていたので今回違いを調べてみた。
まず日本の法定耐用年数として、木造22年、鉄骨造(軽量鉄骨)27年、鉄骨造(重量鉄骨) 34年、鉄筋コンクリート造(RC造) 47年という区分けがなされている。
それぞれ説明していく。
木造が一番身近で理解しやすいので木造からみていこう。木造には2パターンあり、「木造在来工法」と「2×4(ツーバイフォー)」という建て方の違いがある。
「木造在来工法」は日本の伝統的な木造軸組工法で設計の自由度が高い。
「2×4(ツーバイフォー)」は2インチ×4インチの木材と合板を組み合わせ、箱状に構成する工法で、工期が短く、耐震性・耐久性などに優れる。
これらの木造建築は、コストが安く間取りの自由度が高い。また近年の技術の発達や法整備が進み、耐震性能も格段に改善した。
工事期間が短期間で済むため、その分初期費用も抑えられ、木材なので、リフォームや増改築の際も、比較的自由が利く。
さらに、木が持っている吸湿・放湿効果で湿度をコントロールできるため、換気性能がいい。
火災に対しても、昨今対策が練られていて、その高い耐火性は火災保険料率にも反映される。風雨による劣化もあるが、現在では防水撥水の技術も進んでいるので深刻な被害にはつながらなくなっている。
ただ、一番怖いのがシロアリ被害で、こちらは定期的にチェックしなければならない。また、技術が進んだとはいえ、劣化に対する定期的なメンテナンスは欠かせない。
RC造(Reinforced Concrete)は鉄筋コンクリート造のことを指す。
鉄筋コンクリート造と鉄骨造は別の構造で、鉄筋コンクートは鉄筋で組まれた型枠にコンクリートを流し込んでつくる。
一方で、鉄骨は太い鋼材がそのまま構造となる。
RC造は主に大規模建造物に使われることが多い。というのも、頑丈な作りなため柱梁が太くなり、都心などの狭い住宅では場所の制約があるため敬遠されるのだ。
鉄骨造は、建物躯体に鉄や銅を使い、柱のない大きな空間(体育館など)を造るのに適している。コンクリートを使わないため短い工期でできることも特徴である。
RC造は、コンクリートが燃えにくいことから耐火性に優れ、音も通しにくいため遮音性も期待できる。
しかし、意外なことに水に対しては注意しなくてはならず、結露やカビが生じやすい。
最近では撥水剤などで加工するようになっているが、コンクリート内部に水がしみこみ、中の鉄筋をサビさせ、それが構造性能を下げることも起こっている。
また、強度を確保するために、施工の期間も木造よりは一般的に長くかかる。
最後に、鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC)(Steel Reinforced Concrete)も少し紹介する。
高層ビルなどに使われる構造で、鉄筋コンクリート造に、さらに鉄骨を加えたものといえる。柱や梁を鉄骨で組み、その周囲に鉄筋を配してコンクリートを流し込むかたちとなる。
以上からわかるように工法にも個性があり、適材適所で考えていくのがベストであろう。