不動産で財産をなすときに大事なのは、保有不動産の純資産を担保にして、不動産担保ローンを組み、それを新たな不動産の購入資金とするというスキームである。
つまり、一つ物件を取得したらそれをテコにほかの物件の購入することで、自己資金が少なくても加速度的に所持物件を増やしていける。
漠然とこのスキームを使うことを考えていたが、実際にローン返済中の物件を担保にして、いくら程度の融資が得られるものなのか調べてみた。
まず、不動産担保ローンの融資を組むためのもととなる不動産を銀行に評価してもらう。
目安としては、市場価格より少なくとも10%安い価格で評価されるようだ。さらにそこから、その評価額の80%までの上限として貸し出してもらえる。
計算すると、最高でも
0.9×0.8=0.72
物件マーケット価値の72%しか貸し出してもらえないことがわかる。
さらに、そもそもの一件目の住宅ローンを組む際に、第一抵当権を設定しており、ローンの返済ができなくなったら第一抵当権のほうの回収が強くなる。
それは、不動産担保ローンをつけて追加融資をするためにつける第二抵当権の効果を限定する。
銀行も利益を出さなければならないので一円も回収できないのに第二抵当権をつけてくれるお人よしはいない。
そうなってくると、不動産担保ローンを組むためには、少なくとも現時点で不動産の処分価格が第一抵当である最初の住宅ローンの残債を上回っている必要がある。
金利1%の35年の住宅ローンであった場合、12年でなんとかローン残高が30%程度減ることを考えると、追加融資は絶望的なようにみえる。
やはり売却益で頭金をつくって、大きい物件に乗り換えていったほうがいいのか。
そうなると、乗り換えに便利な米国の1031exchangeが最高の手法となる。ただ、米国では頭金が2割必要なのがネックになる。