米国不動産の収益率の判断方法としてよくキャップレートが用いられるが、これは購入最終判断として適切な指標なのか本気で計算してみる。
式で表すと下記。
キャップレート=
純収益(Net Operating Income) ÷ 現在の物件評価額
キャップレートは、1年間の純収益を物件評価額で割って算出。
上記を収入・支出の二つのパートに分けさらに詳しく解説する。
米国20ユニットのアパート(価格7,000,000)の例を取るが、これでさらに理解がクリアになると思う。
比率・成長率は下記で想定。Income Growth 収入増加率:3%
Vacancy & credit loss 空き家率:5%
Expense growth 支出増加率:3%
Proprety tax growth 不動産税増加率:2%
・Income パート
=年間家賃収入(GI=Gross Income) + Potencial reimbursable(不動産にかかる税金・共有スペースの費用負担回収) + 共用施設収益A(居住者数に比例:ランドリーなど) - 空き家リスク(Vacancy factor)+共用施設収益B(居住者数に比例しない。広告板など)
Gross Income
553,910
そのうちベースの家賃収入
540,000
こっちは考える項目が少なくシンプル。
・Expensesパート(ベース家賃収入に対しての比率も記載)
少し項目が多いので箇条書きで記す。
・一般管理費用4%
・常駐管理費用 2.5%
・水回り1.4%
・電気0.6%
・ガス0.8%
・電話関係0.2%
・インターネット関係0.1%
・廃物処理0.4%
・清掃員0.6%
・景色代landscaping 0.5%
・ペストコントロール 0.1%
・火事消防Fire& Life safety 0.2%
・修繕保持費用 2%
・保険1.2%
・不動産税(購入価格に対して1.25%なので)16.2%
・リース依託費1.3%
ざっくりベースとなる家賃収入に対して32.1%の出費感。
Gross Income
553,910
Total Expenses
167,484
Net operating income
=386,425
Cap rate
=386,425/7,000,000=5.52%
土地と建物からガッツリ計算していたら今後の収益計算にも役立つ。
ただ、公表されているキャップレートは類似の不動産の取引事例などとの比較で出されるものが大半だということなのでイマイチ。どうやって出されたキャップレートかを確認するのが大切。