近頃、ワークマンの成功記事を見かけることが多くなりました。
そもそも、なぜワークマン は人気になったのでしょうか?
もともとワークマンは、職人の作業着を販売していた会社で、いまどんどんその作業着マーケットがシュリンクしているにも関わらずです。
いくつかの要素が組み合わさっているので順にみてきましょう。
ターゲット市場の拡大
まず、一番大きく上げられるのは、作業着専門店からアウトドア市場へターゲットを拡大したことがあげられます。
マーケットの拡大に伴い、顧客との接点が一気に増え、社会的にバズることが可能になりました。
野村総研も2030年に日本の大工の数は21万人にまで減少すると予測しており(現在30万人前後)、カジュアル服という意味で、日本人口1億2千万人をターゲットにできるアウトドア市場は、かなり有望なマーケットだったのです。
もちろん、低価格のアウトドア市場(4000億円程度)がターゲットとなるので、対象人口はより少なくなりますし、競合も増えるため、作業着で培った技術を活かしつつ、市場に浸透していく必要性がありました。
現在はアウトドアという競合ひしめくマーケットの中で、「低価格・高機能」商品としてのブランド付けに成功しています。
私も、オンラインショップをのぞいてみると、春用ジャンパーが2,900円で売られているのをみつけました。まだ、春用を買われていないという方は、こちらを探してみると掘り出し物が見つかるかもしれませんよ。
私は、デザインが同じような、自分が使っていたTHE NORTH FACEのジャンパーの半額のものがあり、見つけたときは愕然としました。後日、一度購入して機能性を試してみようと思います。
ワークマンの秘密
それは、さておき、ワークマン の成功要因は、「低価格で高機能」だからでいいのでしょうか。
これにはいろいろな意見があり、必ずしもそれだけが原因ではない、ほかの企業も同様の価格・機能の商品も売っているではないかという意見に、私は賛成です。
その根拠は下記にあります。ワークマンの損益計算書8年分の数字の一部を抜粋したものを貼りますね。

これを見ると、わかるように商品の原価率は一貫して下がり続けているんです。
商品開発費用の項目がないので、それらの費用は原価に含まれていると思うのですが、高機能を維持するための開発はしてそうにはみられませんでした。
余計な出費をせず今までの技術で、商品販売数を上げていったので、原価がうまく下がっているのではないかと思います。
ワークマンのマーケティング戦略
では、なぜワークマンは競合がひしめくアウトドアマーケットで成功することができているのでしょうか。
そのカギは、マーケティングにあるといわれています。
ワークマンは自社商品のファンであるインフルエンサー(ブロガー・Youtuber)と協力して、マーケティングをしている企業であることが知られています。
ちなみに、ツイッターで「#WORKMAN女子」で検索してみたところ、多くのインフルエンサーの方々をみつけることができました。
いまワークマンは、インフルエンサーではなく、アンバサターという言葉を選んで、活動しており、ニュースリリースでも
という記事を発信しています。
アウトドアマーケットへの参入のきっかけが、SNSでの自社製品への書き込みをみたからだったというのも、SNSマーケットへの順応度の高さをみていると、さもありなんとうなずけますね。
数字で見ていくと、2016年を境に、販売促進費率が年々上昇していっているのがわかります。
これがアンバサターに対して投入している費用で、このマーケティング費で人を集め、より多くの商品を捌き、それで原価をさげ、営業利益を上げているのではないかとみています。おもしろいビジネスモデルですね。
このようなメディアの使い方は大変参考になるので学びが多いですし、今後さらに、自分の発信媒体をもつアンバサターには有利な世の中になっていくのだろうと予測されます。
企業視点とアンバサター視点を両方持てれば、今後は生きやすい世の中になりそうです。
また、ワークマン店舗を運営したい人はこちらの記事も参考になると思います。詳細に書かれていて驚きました。