皆さん、一時期話題になったフォーエバー21を覚えていますか?米国ではまだブランドが生きているようで、時々見かけるので気になって調べてみました。
結論から言うと、フォーエバー21の失敗は、ODMをベースとしたビジネスモデルの弱点への認識不足に起因しています。
実は、フォーエバー21はユニクロのような自社で製造・企画・販売全てを一貫して担うSPA企業ではなく、ODM企業なのです。
そのため、商品企画・デザインもすべて仕入先企業に委ねてしまいます。仕入先から提供されるサンプルを確認して、実際に購入するかを決める形態をとるのです。
ODMは、社内でのコストを大きく下げられるメリットはあるものの、デメリットも大きいのです。
まず、商品のクオリティをコントロールできず、仕入先に依存してしまいます。これは店舗の品ぞろえ、さらには、購買層の取捨選択に影響を与えます。
サンプル製品ができてから、購入する可能判断をするため、意思決定までに時間がかかり、他店に比べ、流行商品の販売が一歩遅れてしまい販売機会ロスを引き起こします。
また、購入時のロットの調節が難しく、特に個性的な商品はあたりはずれが大きいので在庫過多になりやすいです。
仕入れ価格もそれなりに高いため、粗利益率が低く、極端に値引きして売りさばくことが難しく、それがさらに在庫を圧迫していくことになります。
最後に、フォーエバー21はローカル性を重視せず、作った製品をそのままの形で外国に送り込むだけでした。(私は余った在庫を捌くための苦肉の策だったのではないかと思っていますが。)
そのため、現地に馴染まない癖の強い商品在庫が積み上がり、さらなる負担になってしまったようです。
大きく展開するにはリスクが大きすぎるモデルだったのですね。