ビジネスモデル事例集

わずか3年で累計利用者数250万人Voicyのビジネスモデル

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「Voicy」は、厳選されたプロフェッショナルが、ニュースに始まり、ビジネス解説、さらには独り言など、多様なコンテンツを音声で発信しており、現在は200以上のチャンネルを保有している新しい音声メディアです。

有名どころの配信者としては、キングコングの西野さんホリエモンイケダハヤトさん、そして、はあちゅうさんなどがいます。

このVoicyは、2016年9月にスタートし、わずか3年で累計利用者数320万人と破竹の勢いで成長しています。

さらに、昨年2019年には、日経新聞社との業務提携をはじめ、ベンチャーキャピタルや電通などからの大型資金調達を行うなどと世間を騒がせています。

音声市場の背景

このVoicyの成長を語る上で、現在の音声市場の盛り上がりにも触れたいと思います。

ワイヤレスイヤホンであるAir Podsの普及を皮切りに、常時音声に接触することを可能にするデバイスが増えています。

その結果、米国の30%の人がPodcastsを毎月聞き、成人の25%がスマートスピーカーを所有していると言われています。

私も、Google homeは使わなくなったのですが、Air Podsは違和感なく一日10時間以上はつけている気がします。コード付きのイヤホンでは考えられないぐらいの装着時間です。

この1人当たりのワイヤレスイヤホンの接続時間が伸びていることで、音声コンテンツの需要が大きく伸びているといえるのです。

そして、今後さらに音声市場が伸びると予想される要因はIoT(Internet of Things)の広がりで、あらゆるモノが音声による情報提供が可能となります。既に話す冷蔵庫なども出ています。

将来的には、道路の看板が工事中であることを音声で知らせたり、コンビニの近くを通り過ぎると、指向性スピーカーでおにぎり半額などのアナウンスが流される時代が来るかもしれません。

株式会社Voicyは、そのような「全部声だけで生活できるような世界」「モノが全部しゃべる世界」を実現するために、プラットフォームをつくり、音声を社会の至るところに配給するインフラを構築する事業を行っています。

「Voicy」の運営のほかにも、音声配信インフラの開発、音声体験のコンサルを事業として保有しているのです。

Voicyが生まれたきっかけ

さて、そのような野望を掲げるVoicyですが、どういうきっかけでこのサービスを始めようと思ったのでしょうか。

実は、Voicyの社長である緒方氏の父がアナウンサーで、小さいころから、声の価値を知る機会が多くありました。

また、一方で、声を使って仕事をするプロフェッショナルが活躍する場所がだんだん減ってきていることにも気が付いたのです。

これだけ世の中に声のプレーヤーで魅力的な人がたくさんいるのに、活躍できる場所がなくて埋もれている。

これが緒方氏のビジネス構想の原点でした。

そこから、音声が活躍する場を増やすため、「あらゆる場所から音声配信を可能にする」インフラ開発事業と、「現需要に対して不足気味な良質なコンテンツ供給量を増やすため」にVoicyのサービスを立ち上げました。

「音声」では、「文字」と違い、送り手の感情も反映されやすいことを理解している緒方氏は、「人間味がある、温かい」コンテンツをVoicyで配信することにこだわっています。

ラジオとの違い、Podcastとの違い

人々が隙間時間を使って、音声を聞くものといえば、一番にラジオがあげられます。

皆さんも、最初にこのアプリを知ったときに「ラジオとの違いは何?」と思ったのではないでしょうか。

サービス形態としては似ているのに、なぜラジオは衰退して、Voicyは伸びているのでしょうか。

大きく分けて4つの違いがあります。

1.ラジオはCMと雑音が多い
Voicyのサービスに比べると、ラジオはCMと雑音・雑多な情報が多く、同じ10分という放送時間でも情報密度が全く異なるのです。

2.ストック機能により、時間や場所の制約がない
Voicyですと、気に入った番組は簡単にリピート再生できますが、ラジオですと聞き逃した場合の巻き戻しや一時停止ができません。

Voicyの場合、時と場所に制約されず、気に入った配信者の過去番組を遡っていつでも何回でも聞くことができるのです。

3.発言内容の制約
ラジオの場合、スポンサーとの関係から様々な制約があり、発信者にとって伝えたい内容が必ずしも伝えられないという状況が生じます。

4.気軽な投稿
ラジオの場合、ラジオ局にいく必要があったり、テーマが決まっていたりしますが、Voicyですと、発信者が自分でテーマを決めて、自分のタイミングで投稿できます。

配信者用のアプリがあり、スマートフォンに語りかけるだけで、BGMがついたり、簡易な編集機能が提供されているようです。

このおかげで、いままで多忙で発信することができなかった人も、比較的容易に投稿できるようになりました。

これらを見ていくと、人々のライフスタイルに合わせて、メディアも配信の仕方を変えていかなければならなかったことがわかります。

ライフスタイルのずれが生じているビジネス領域はチャンスかもしれませんね。

次に、有力な競合候補のPodcastとの違いを見ていきましょう。

1.配信者の審査
良質なコンテンツの配信を目指すVoicyは配信者を審査によって制限しており、55万番組を提供するPodcastのチャンネル供給量に及ばないものの、コンテンツの信頼性は勝っているといえます。

2.配信者とのつながり
Podcastは配信コンテンツを聞くことをメインにおいていますが、Voicyは配信者の世界観を知り、コミュニケーションすることを主軸においているため、Podcastにはないコメント機能やSNS機能が充実しています。

ただ、Voicyにもデメリットがあり、オープニングの曲をつけるなどの編集はできなく、その点は自由度が少ないといえます。

また、音源の権利はVoicyに移行するので、過去の投稿を使ったビジネスをするときには、障害になります。

ターゲット

Voicyを利用する年齢層は、20〜30代を中心に、40代も増えているようです。
当初は、ビジネス好きの男性が多い印象でしたが、現在男女比は6:4と、女性の利用者も増えており、子育て中のお母さんの利用も増えているようです。

客層が違うので、日経新聞などの既存のメディアとの連携も相性がいいですね。

Voicyのビジネスモデル

では、リスナーに無料でサービス提供しているVoicyは一体どのように収益化しているのでしょうか。

収益をあげる3つの柱を紹介していきます。

1.配信者のタイアップ広告(月額10〜80万円)
配信者の投稿の導入部分にスポンサー広告枠をつけて配信する。配信者が広告内容を読み上げるので、まるで、配信者の投稿内容の一部のように感じる。

2.法人チャンネル(野村証券・日経など月額数十万円)
法人が自社宣伝のためにチャンネルを設置することが可能です。

3.社内報チャンネル(社内用月額数十万円)
企業が紙文書での社内報ではなく、音声配信にしたところ社内コミュニケーションが活性化したという事例があったそうです。

良質なコンテンツが集まり、利用者数が増加すれば自然とタイアップ広告や法人チャネルの数は増えそうなので、今後の法人以外のチャンネル数の増加が課題となっています。

現在配信者は、SNSから流入した新規顧客をVoicyで教育し、次のステップとして、オンラインサロンや有料メルマガなどに誘導する形で仕組みを作っているように見受けられます。

なので、顧客教育の場として、配信者側によりメリットがあるようなプラットフォームにすると、チャンネル登録者数も増えるのではないかと考えます。

無料から有料への移行が一番ハードルかと思うので、賞金額から可能なコメント装飾機能などつけてもいいかもしれません。

金額と目立つ装飾があれば配信者も配信しようと思うでしょうし、コメントを何回かやり取りするうちに自然とサロンに入ったほうがコストパフォーマンスが高いことに気づき、移行するのではないかと思います。

また、別途、課題の「音声配信インフラの開発・提供」「音声体験のデザイン・ コンサルティング」の2事業が、今後どのような形で実るのかも楽しみにしています。

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