皆さん、ついに、エアラインでも、サブスクリプションが始まったのはご存じですか?
まだ実験段階ですが、ANAが、定額全国住み放題サービスを提供する「ADDress」と組んで、国内線を4回まで定額利用可能にしています。
「どうせ地方から地方へ移動する使いづらい便なんでしょう?」
と疑った人も多いと思いますが、調べてみると羽田から地方便など、使いやすさは勘案されているようです。
また、今回サービス期間の延長とともに利用可能空港も拡充、新たに伊丹もハブとして追加され、全国15空港の利用が可能になりました。
https://www.traicy.com/posts/20200324149784/andhd/
さて、気になる値段はいったいいくらなのでしょうか?
毎月50人限定で下記の値段となります。
3ヶ月契約:月額30,000円
2ヶ月契約:月額35,000円
1ヶ月契約:月額40,000円
3か月契約で考えると1便7,500円なので、悪くはないです。
ただ、問題なのはこれらのサービスは「ADDress」の年間会員または半年間会員のみ利用が可能だということです。
一般公開には、まだ早かったようですね。
ちなみに、「ADDress」の会員は月額4万円からとなりますので、エアラインサブスクリプションと組み合わせると毎月7万円の固定費がかかってくることになります。
私としては、うっ、とひるんでしまう価格です。
そもそも「ADDress」とは、なんぞや、となりますよね。彼らは、定額で日本各地に保有する25の家をシェアハウスやコワーキングスペースのかたちで貸し出すサービスをしています。
実態としては、「ADDress」が、住み手の付きづらい家(グーグルマップで調べたら駅から徒歩30分とでているものもあり愕然としました)をオーナーより、サブリース契約で引き受け、リノベして運用するというものです。
要は、空き家にブランド価値を付け、田舎でのんびりしたい人と余っている家をマッチングさせるというサービスなんです。
ぱっとみ、ターゲティングが厳しそうなビジネスに見えるのですが、驚くべきことに1,100人の応募があったそうなので、需要は確かに存在しているようです。
ユニリーバ・ジャパン・ホールディングスやリクルート住まいカンパニーも参画しているプロジェクトなので期待値は高いのでしょう。
ADDressのビジネスモデルが面白かったのでもう少し追記します。チャーリーさんのビジネスモデル図解ツールを使わせていただき、下記の図も作成したので、合わせて参照ください。

空き家や別荘などをオーナーから借り受け、ADDressが、初期の設備投資や家の管理・運用することで価値を高め、オーナーには安定した家賃収入を提供します。
収益とコストの項目を見ていくと下記になります。
・収入
固定費月額4万円×会員数
(空き家問題解決に対する補助金なども出るかもしれませんね。)
・コスト
リノベーション費用
オーナーへの賃料支払い(固定費)
サイト運営費
家守(固定費2万円以上)を含めた人材費用
室内アメニティなどの仕入れや修繕費
上記をもとに類推していきます。
現在のMAXで保持できる会員は家数25軒×貸し出し部屋数3部屋(コミュニケーションをとることも売りにしているので3部屋程度と推定)の75名分。
とすると、4万円×75名=月額収入300万円
オーナーへの支払いは家単位で地方も含めることから一軒平均月額3.5万円。
とすると、3.5万円×25軒=月額支出87.5万円
家守に月2万円、従業員12名の年収を平均400万円。
とすると、
2万円×25軒=月額支出50万円
33.5万円×12人=月額支出420万円
リノベーション費用は家にもよりますが、自然な感じをだしつつ、小ぎれいにはしなければならないと思うので一軒当たり350万円。
とすると、初期費用25軒×350万円=8750万円
サイト運営費用はサイト制作費が200万円、管理費月15万円程度とします。
まとめると、
現在月額収入300万円に対し、月額支出573万円程度、初期投資額8900万円程度になります。
今後の回収計画を見ていくためには、一軒の持ち物件増加に対する収入増加分をみればいいので、
(プラス)
4万円×追加人数3人=月額12万円
(マイナス)
オーナー支払い 月額3.5万円
家守支払い 月額2万円
リフォーム代金 350万円
この考え方でいくとリフォーム代回収だけで約54年かかっちゃいますね・・・。
会員の稼働率の問題もあるので、会員の稼働率を30パーセントと仮にしてみましょう。
1軒増加するにあたり、9人まで会員を増加させられることなるので、大体リフォーム代は10年弱で返却できますね。
この計算を見ると、リフォーム代金はもう少し抑えてるかもしれません。ある程度の富裕層の利用を予想していたので、ラグジュアリー感を出しに来るかと思っていたのですが。
少し感覚が違うかもしれません。
ターゲットとなる若者像については、いまのところ私にはぴんと来ていないのですが、夏休みの大学生などを対象としているのかもしれませんね。今後も興味深く観察してみます。